八戸市薬剤師会の沿革

八戸市学校薬剤師会は、昭和30年に結成、発足した。

昭和33年4月に学校保健法が制定され、学校薬剤師が必置制となり、学校薬剤師は

「学校環境衛生検査の実施及びその結果に基づく事後措置並びに、学校環境衛生活

動全般について指導助言すること」と規定された。 この様に制度的に確立されたこと

によって、昭和34年に八戸市学校薬剤師会が設立され初代会長に武内保氏が就任。

そして学校保健法に基づいて、飲料水用水質検査、教室内空気暖房喚気採光照明検

査、薬品管理、回虫卵検査等を実施した。 昭和39年に学校プールの汚染状況、水質

調査を開始、この検査は引き続き現在に至っている。 昭和45年にプールに腰洗い漕

が設置され、設置されたことにより大腸菌群の陽性率の低下につながった。

昭和41年4月に鈴木吉十郎氏が第二代目会長となり、八戸市内全校のじんあいの検

査を実施。 昭和42年には、市内全校の飲料水水質検査を実施し設備改善を進言した。

昭和44年給食施設の衛生検査を開始、その検査の結果、食パン函の清潔と専用トイレ

を作ることと食器を新品に入れ替えることと天井の水滴を除去するため換気扇の増設を

指摘した。 昭和49年には、脂肪性残留物、澱粉性残留物の測定より食器の洗浄度の

判定、そして包丁、まな板、トイレの取手等の拭き取り検査による大腸菌群の検査、加圧

滅菌機内の90度以下の温度むらの点検等の諸検査を開始し現在も実施している。

昭和47年4月に松館吉郎氏が第三代目会長となり、昭和45年より三師会臨床検査セン

ター内に同居して来た学校薬剤師会試験室を検査件数急増の為、昭和52年に八戸薬品

(現在 (株)ショウエー)に試験室を移転しオートクレイブ、孵卵機、乾燥滅菌機、恒温機、

冷蔵庫等その他必要器具計器類を準備完了し実動を開始した。

昭和47年から尿検査を開始し、現在も継続されている。 尚、尿検査陽性者の精検は、

医師会検診センターで、昭和54年から開始しております。昭和57年尿検用の検体立て

(現在学校で使用している)を考案し、尿検査陽性者の再検査にアナライザーを採用した。

ぎょう虫卵検査は昭和54年に始まり現在に至っておりますが平成6年からは、小学校1

〜3年となっております。検査開始時の小学校1〜6年の陽性率は4〜5%であり当時は

八戸市教育委員会から駆虫剤が配布された。近年は平成9年度で陽性率0.25%、平成

10年度では、陽性率0.09%と低くなっており大幅に改善されている。

昭和61年4月に河野達雄氏が第四代現会長に就任。

平成元年,学校理科室内の不要薬品の回収ならびに薬品の整備と使用薬品の管理簿

の点検指導をおこなった。 平成4年6月「学校環境衛生の基準」の改訂が行われ、この

新基準は学校環境衛生の目的を達成するために学校保健法及び同法施行規則に示さ

れているように、定期検査及び日常検査さらには臨時検査を実施しその結果に基づき

適切な事後措置を行なうことが必要となった。

平成6年当会試験室が旧医師会館(八戸盲学校前)に移転をし同年より南部山温水

プールの水質検査と衛生管理指導を開始、また学校砂場の犬猫等よる汚染問題の消

毒の研究を開始し塩素剤による消毒効果を実証した。 そして平成8年の第30回日本

薬剤師会学術大会(長崎市)にて発表し、全国的に反響があり、八戸学薬方式が全国

的に広まった。八戸市内の公園砂場においても学薬方式による消毒が開始された。

同年発生した病原性大腸菌O-157問題にも関連して消毒の問題が大きくクローズア

ップされ、市内の学校の飲料水の総点検を行い、問題のある学校においては、改善を

勧告し適切な処置を講じてもらった。また夏休み明けの飲料水の使用についての指導

もおこない、継続している。

覚醒剤をはじめ青少年の薬物乱用問題が急浮上し、薬物乱用防止教室を市内高等学

校、中学校において教室を開始、継続している。

平成10年11月の第48回全国学校薬剤師大会(仙台市)において学校砂場の消毒の

成果を研究発表。平成11年7月に新試験検査室を八戸市類家5丁目に移転。