平成11年7月に発行されたものです。
 
 

Q.歯医者で撮るレントゲンはどの程度の害があるのでしょうか?
 

A.歯科に限らず現代の医学ではレントゲン撮影による診断は重要なものとなっています。
ご存知のようにレントゲン撮影とはX線と呼ばれる放射線が体の中を通るという性質を利用して肉眼では見えない骨の様子や内蔵の様子を写真にして見ることで様々な病気や体の様子を調べるという診断方法です。
ただ、X線が放射線である以上、人間の体にある程度の為害作用があることは事実です。

問題はその診断に使うX線の量だということになります。
歯科で使うレントゲン撮影では1枚の撮影に必要なX線の量は天気の良い日に半日外で過ごすのと同じ程度の量です。
つまり、「レントゲン撮影をするのは恐い!」という場合には「天気の良い日は外に出ない!」ということと同じになります。
では、レントゲン撮影はどんどん行っても良いのでしょうか?
それはそうではありません。ごくわずかとは言え人間の体に害がある以上、必要以上にX線を浴びる必要はありませんし、それは良くないことです。
また、妊娠中の方、またその可能性がある方もレントゲン撮影をひかえるようにしています。
これは胎児の成長期において通常の大人よりX線に対しての感受性(影響の受け易さ)が大きい期間があるためです。
人間の体には様々な器官があり、それによっても感受性が異なります。したがってレントゲン撮影をする場合でもそういった感受性の高い器官(生殖器など)を
鉛の入ったエプロンなどで防護して撮影を行うようになります。

ご質問にある「どの程度の害」ということを簡単に答えるのは難しいのですが、考えるべきは「必要に応じて最小限」にするということです。
 

ドッグラン無料開放のお知らせ

歯科とは関係ないんですが、モアイ歯科では駐車場を「ドッグラン」に開放しています。
犬は猫と同様人間と深い関係にある動物です。当然ペットとして飼っている方も他の動物を飼っている方に比べて圧倒的に多く
色々なワンちゃんを散歩させている方を多く見かけます。
犬の散歩はもちろんリード(引き綱)を付けて行うわけですがある程度の広い場所があれば飼い犬を放して自由に走らせたいと思う方もおられると思います。
公園などでは「犬を放さないで下さい」という注意がされているところがほとんどですし、他の方の迷惑を考えればそれも当たり前のことと思います。

モアイ歯科の駐車場は(それほど広いわけでもないのですが)周囲にさくを巡らせてあり、入り口は閉められるようになっていますので
中型犬までであればその中で自由に放すことができます。
開放時間は土曜日の午後とモアイ歯科の休診日(日曜祝祭日)です。
入り口が開いている時は自由に閉めて頂いて結構ですし、利用料金もありません。
ご自由にお使いください。(ただしワンちゃんの落とし物は飼い主の方がお持ち帰りください)
 
 


【力も強く指太く。】

歯医者の仕事というのは結構細かい仕事です、もちろん「手先の器用さ」だけが重要というわけではないのですが学生時代には「生卵の薄皮を傷つけずにカラを削る」練習などもやるという笑い話のようなはなしもあります。
そういうわけですから「手先が器用」と言われることは歯医者にとっては「ほめ言葉」になりますし逆に「不器用」と言われるのは不名誉なことになります。
以前、何人かの若いドクターを教えながら仕事をしていた時、なかなかお口を大きく開けられない患者さんに上の奥歯の治療をしていました。
患者さんも口を開けているのがつらかったらしいのですが私としては「若い先生達では時間もかかるし要領も悪いので患者さんが大変だろう」と考えていました。
何度目かの治療の時に担当の衛生士が笑いながらやってきて「院長先生、○○さんですけど担当の先生を換えてくれないかって言うんです。」と伝えました。これは結構ショックで「なにか私の治療に不満な点があったのだろうか?」と悩んでしまいました。
衛生士は笑いながら「それが先生、指の細い先生に換えてもらえないかって言うんですよ、、、、、、」
まあ、考え様によっては「奥歯の治療は指の細いドクターの方が口をあまり開けなくて良い」とも思えるのでしょうが、指の太さをカバーしてあまりある技術をもっていると自負していた私としては多少なりともショックでした。
まあ、気を持ち直してその患者さんの担当を若い女医さんに換わってもらい(彼女が一番指が細かった!)数日過ぎたところ、再度「今度は院長先生にやってもらいたい。」との連絡を受けました。
「どういう風の吹き回しか?」と思いましたが、きっと「指は太くても技術は最高!?」ということに気がついたのかと思い、機嫌を直しつつ診療室に行くと
「今日は歯を抜くというので力の強そうな先生に換わってもらいたかったんですよ。」とのことでした。
勘違いされている方が多いのですが、「歯を抜く」という処置は「力任せに歯を引っこ抜く」のではなく解剖学的に正しい位置に正しい方向で力を加え「てこの原理」を利用して抜くことなのです。
つまり、「人間の顎の構造を良く理解し」「適正な器具を選択し」「力学的に正しい方向に正確に力を加えられる」歯医者が「歯を抜くのがうまい」のであり「腕っぷしが強い!」ことが良いことではないのです。
患者さんに良く説明しようと思いましたがその前のこともあり「言っても無駄」とあきらめ処置をしました。
きっとあの患者さんは「あの先生は指は太いけど力は強いから、、、、」と誰かに話しているんだろうなあ、と思うと少々悲しくなります。